CADが実際のパーツと違っている場合、および手直しの方法(OLRPエキスパートシリーズ)

    1. パーツのCADデータはほぼ完璧なものである一方、実際のパーツはというと、決して完璧なものではありません。CADにはほぼ誤差はつきものですが、多くの場合非常に軽微なもので、せいぜい1ミリぐらいのものが散見される程度です。しかし時には、さまざまな理由のためにCADデータの大幅な不一致が生じると、それによりパーツの主要コンポーネントでさえも欠落する可能性があります。パーツのCADデータの不一致をどのように処理すればよいでしょうか。
    2. 不一致がわずかな場合、実は非常に簡単です。補正するための技術を使用します。溶接などのアプリケーションの場合は、タッチセンシング、シームトラッキング、画像処理システムについてインテグレーターに相談してください。バリ取りなどのアプリケーションについては、それに合ったツーリングを検討しましょう。このような補正技術はきわめて不可欠なものであり、多くのお客様が素晴らしい成果を収めています。導入を強くお勧めしますが、しかし、ここで申し上げた技術は、不一致がわずかな場合に限って有用であるということにご注意ください。その詳細については、前回のOLRPエキスパートシリーズの記事をご覧ください。差異が大きな場合は解決策の候補が2つ考えられます。
      1. CADソフトウェアで図形形状を修正します。
      2. OLRPソフトウェアのほうにコンポーネントを追加します。OCTOPUZではブロック形状や円柱形状、平面などのパラメトリックコンポーネントを使用できます。このようなコンポーネントはよく使用され、欠落している図形形状(クランプなど)を再現します。パラメトリックコンポーネントが使用できない状況ではツールがパーツやジグと衝突していないことを確認してから、修正を加えることをお勧めします。手直しを快く思わない方が大多数であることはよく分かりますが、多くの場合、これがとにかく最善の解決策となります。
    3.   <理由>
    4.  プログラムが修正され、パーツ間の問題がなければ(それには関係
    5.   なく、あくまでも補正技術は必要ですが)、ロボットの補正に時間を
    6.   費やすことがないためにプログラムのサイクルタイムが最適化され
    7.   ます(特にタッチセンシング使用の場合)。
      1. 補正技術の使用を最小限に抑えると、結果的に潜在的エラーが減少します。残念ですが、最も信頼性の高いシステムでさえもエラーは時折発生するものです。
      2. 補正技術を使用していないプログラムなら、修正が非常に簡単です。トレーニングが最小限で済むため、オペレーターはジョグ動作と修正さえマスターすれば、ロボットセルがオンラインで動作するようになります。最も経験豊富なオペレーターであったとしてもタッチセンシング、シームトラッキングなどの専門家ではないため、問題の診断には常に注意が必要となることにご留意ください。・・・OCTOPUZのより詳細な情報をご確認いただくには、OCTOPUZ日本語ウェブサイトをご覧ください:
        http://www.octopuz.jp