OLRPの実装と運用の成功の鍵を握るロボット機能とは(OLRPエキスパートシリーズ)

オフラインロボットプログラミング(OLRP)を使用すると、実際のロボットセルとは別の独立した仮想環境で、ロボット機能のプログラミングが可能になります。しかし現実的には、仮想世界と現実世界の整合性を確保するにあたって困難な課題があります。整合性を確保すること、すなわち位置合わせの調整こそがOLRPの成功の鍵を握っています。「どのようにロボットを機能させれば、OLRPの実装と運用がうまくいきますか?」この質問をよく目にするので、リストにまとめました。

OLRP成功に不可欠な5項目

  1. ロボットをマスタリングしておく

マスタリングとは、ロボット本体の所定の原点姿勢とプログラムにおける原点位置を一致させるための位置較正処理のことです。仮想環境では、ロボットは常にマスタリングされているため完璧な状態になっており、必要な場所へと正確に移動します。しかし現実の世界では、常にそうであるとは限りません。ロボットがマスタリングされていないと、ロボットは自分が実際の位置と異なる位置にあると認識します。その場合、オフラインプログラムは期待どおりに機能せず、間違った場所に移動してしまいます。新しいロボットの購入を考える際に、インテグレーターがロボットの「マスタリング処理」を行うかどうかを確認してください。もし既存のロボットがマスタリング済みであるかが分からない場合は、すぐインテグレーターに聞いてみましょう。

  1. ロボットをバックアップしておく

ロボットコントローラーはそれぞれ設定が少し異なっているため、ロボットから取得したロボットバックアップファイルからの情報で、OLRPプロバイダーはサポートすべき内容を理解します。ロボットのバックアップファイルの中には、ロボットコードを生成するポストプロセッサに接続するために不可欠な、固有のオプションとコード構造が含まれています。

  1. シームファインディングおよびシームトラッキング機能

CADは完璧です。というか、完璧であるべきものです。しかし、現実の世界は決してそうではありません。この食い違いに対処するために、実際のロボットがパーツ領域を正確に位置決めして目的の機能を確実に実行できるようにするには、タッチセンシングやシームトラッキング、画像処理システムはいずれも欠かせないものです。このようなシステムがない場合は、修正作業が必要となる可能性があります。

  1. CAD形状が高精度であること

そんなことは当たり前とお思いでしょうが、この問題はよく見受けられます。CADデータの精度が低い場合や低品質の場合、OLRPはうまく機能しません。OLRPは正確なCADがあってこそ真価を発揮するものです。

5. 基準系が高精度であること

マスタリングされたロボットであっても、ツールセンターポイント(TCP)やユーザー基準系(Uframe、BASE_DATA、作業オブジェクトなど)の精度が低い場合は、プログラムの修正が必要となります。プログラム実行前に、あるべき位置に基準系が存在していることを確認しておくと、多くの頭痛の種を減らすことができます。

 

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